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  • 金巻とも子:
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    (犬と猫と住まいの研究家)
    一級建築士

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猫の家

005 建築家の廣瀬慶二さんが、15匹の猫と暮らす家を完 成されました。
 その完成空間を披露されるために、専用サイトを創られたとご連絡をいただきました。
 それが、「猫の家」です。

 猫は5匹以上、特に10匹を超えると、一家の中で健康に暮らさせるというのは、かなり苦労をします。

 それは、猫が基本的に単独生活者である事と、そうはいっても、社会活動も行うため、猫同士の関係性をどう空間の中で折り合せるか、という事が出てくるからです。

 猫を室内飼育する時、キャットタワーやキャットウオークをつくればいいのではありません。そこが、猫にとって魅力的で安全、そして、上手く社会的に猫同士が折り合える場所でなくては快適にならないのです。
 快適でないと、折角造った猫用アスレチックは、猫に使われなくなります。
 まぁ、適当に造ったとしても、猫達はどうにかやっていくかと思いますが、猫達はあまり動かなくなり、運動不足→肥満→病気、といった事になりかねません。
 そして、人と暮らすとなると、人にとってどうであるかも重要です。
 完成時も、それからの生活でも美しくないと。

 (ちなみに、写真は当事務所の前所長のウリさんです。彼女は猫アスレチックは全然だめでした。狭い場所も嫌い。猫にも色々いるのです)

 この「猫の家」は、猫達が室内で生き生きと楽しそうに生活している事が見られます。
 そして、空間が美しくて素晴らしい。
 ここまで徹底できたのは、お施主さんの理解と建築家への信頼があってこそとは思いますが、驚くばかりです。

 でも、素敵で面白そうだからって、単純に真似する事はお勧めしません。これは、猫同士のトラブルが起こらない様、問題行動を防いで美しさが保てるよう、深い理解と考察の上に創られた空間なのですからね。表面的にまねれば、失敗しますよ。
 どういった考察を重ねられたかは、「キャットウォークに関する考察」で少し披露してくださっています。 

 現在、犬や猫と暮らす家を提案しているという、建築家、またはハウスメーカーさん。はてはコンサル会社まで沢山いらっしゃいます。
 しかし、動物の行動学を鑑みながら、それを個々の家庭や家族に合わせ、イレギュラーな行動があるなら、そのイレギュラーを生かしながら住まいをつくれるという方は少ないと思います。
 色々のメディアで「犬と住む家です」「猫と住む家です」と宣伝されているのを見ても、「一見それっぽいだけで、中身がない」と溜息が出るものが多い事が実情でした。「意見交換ができる人が、建築業界にいない」と……
 そんな時。廣瀬さんの論文を某誌で拝読し、「ああ、この方はちゃんと勉強している」と孤独感が薄れたという事がありました。嬉しくて突撃メールをしてしまった。
 それからたびたび氏の発表する作品と解説を目にして、「なるほど、これをこう空間に結びつければ」と勉強させられています。
 ペットと住まいを専門に扱うのであれば、飼主はどういった人なのかのみならず、動物の行動学やトレーニング理論も知っており、それを、個々の個性と照らし合わせ、どう美しい室内空間に落とし込んでいくか、が腕の見せ所です。
 廣瀬さんはそれができる、私が唯一尊敬している「家庭動物との暮らしをつくる」建築家なのです。
 私も、こうありたいと頑張ろう張ろうと励まされました。
 本当は、このお家には犬も5匹いるのですよね。猫達と犬達との暮らしにどう折り合いを付けられたのか、廣瀬さんならまた面白い工夫をされているはず。これもとっても楽しみです。
 今度ゆっくりお話を伺わせてくださいね。

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